お彼岸


仏教の世界では六波羅蜜の修行を行うことで悟りの世界に到達できるとされていますが、その到達地点のことを「彼岸」と言います。私たちが生きている、煩悩と迷いの世界は、これに対して此岸(しがん)と言います。さて、お彼岸ですが、春分の日と秋分の日を挟んだ前後3日、計7日を春の彼岸、秋の彼岸と呼びますが、亡くなった人の世界に近づくという意味があるので、彼岸と言うわけです。お盆は地方によって7月と8月で異なりますが、亡くなった方にこちらの世界に来ていただくということで、性質が異なります。こちらも、地方によって行うことが異なることもありますが、お盆はお迎えにお墓に行く、彼岸は会いにお墓に行くということで、同じ所作でも意味が異なります。大きく違うのは、お盆はお迎えとお送りで2回お墓に行きますが、彼岸は一度という部分です。お墓の掃除や花のお供えはどちらも共通していますし、お仏壇をきれいにしておくのも意味は別として共通です。ちなみに、春のお供えはボタンの花にちなんで牡丹餅、秋は萩の花にちなんでおはぎとなっています。