白木祭壇


近年は首都圏や関西圏を中心に冠婚葬祭の脱しきたり化が進み、葬儀の際の祭壇もカラフルな花々や白バラなどの洋花で溢れた花祭壇が(無宗教式も含む)宗教宗派を問わず人気です。一方、昔ながらの白木祭壇も伝統回帰志向の方や白木祭壇の本来の由来に共感した方などに選ばれています。こちらは、主に仏式や神道式、あるいは比較的高齢の方の無宗教式葬儀で好まれています。白木祭壇は、かつて土葬が一般的だった時代において、葬式後棺を輿に乗せて担ぎ、墓地へ野辺送りしたことに由来します。祭壇が白木の輿の象徴的な代用となるわけです(現に大型の祭壇の中には、棺を納めることができるタイプのものもあります)。現代における棺用輿ともいうべき宮型霊柩車と、白木祭壇が似たデザインなのは一つにはそのためです。純粋な白木の祭壇だけでなく、花祭壇との折衷型祭壇もあります。折衷型祭壇は双方のタイプの美しさ・厳かさを生かし合っており、現代風を取り入れつつしきたりも尊重できるため人気があります。